CRYPTO:仮想通貨から暗号資産へ

暗号資産 WEB3

「暗号資産(仮想通貨)」とは、ブロックチェーン技術を使った財産的価値のある電子データの総称です。

2019年5月31日に、仮想通貨の取引に対する新たな規制を盛り込んだ「資金決済法および金融商品取引法の改正法」(以下、改正法)が成立し、その名称は「仮想通貨」から「暗号資産」に変更されました。

これは国際的な議論の場において、「crypto-asset」(暗号資産)という言葉が用いられつつあることや、「仮想通貨」という呼び方が、法定通貨との誤解を生みやすいことなどが変更の理由と言われています。

この記事では、暗号資産とは何か?について掘り下げていきます。

そもそも法定通貨とは?

法定通貨とは、政府が発行し、交換媒体として認めた物理的な貨幣または通貨を指します。

法定通貨は、政府によって裏付けされ、商品やサービスの支払い手段として、その国の国境内で広く受け入れられています。法定通貨の例としては、米ドル、ユーロ、日本円などがあります。

言い換えれば法定通貨は、日本円や米ドル等のように、法律によって「強制通用力」を持つ通貨のことです。強制通用力とは、額面価格で最終決済手段として認められる効力のことです。

政府や国家による裏付けがあるために、経済的に安定している国の法定通貨は、国際的に価値が高いことが多いと言えます。

一方で、経済や政情が不安定な国の法定通貨は、国際的な価値が低くなる傾向があります。ベネズエラの通貨であるボリバル等が例として挙げられます。

例えば、エルサルバドルは自国通貨を放棄し、米ドルを法定通貨としています。

2021年6月このエルサルバドルが、ビットコイン(BTC)を法定通貨として世界で初めて採用すると発表しました。世界中で大きな話題になったのは、記憶に新しいことと思います。

暗号資産とは

一方、暗号資産とは、暗号通貨とも呼ばれるデジタル資産です。

従来の電子マネーとの違いは、取引や残高を記録するホストコンピューターが存在しない点です。

この結果、取引を仲介する銀行やカード会社を経由せず、インターネット上でユーザー同士が直接「お金」をやりとりすることが出来るようになりました。

「お金」といっても、この技術に興味を持った人々が取引をするうちに自然と価値が認められていったという経緯があります。

このため、暗号資産は分散型(非中央集権型)と言われ、法定通貨のように政府や中央当局の保証がありません。

また、取引を記録し、検証する分散型台帳であるブロックチェーン上で動作します。暗号資産の例としては、Bitcoin、Ethereum、Litecoinなどがあります。

暗号資産の特徴は?

暗号資産には法定通貨と比較して、4つの特徴があります。

非中央集権

暗号資産は分散型であり、中央当局や政府によって管理されていないことを意味します。

取引や残高をホストコンピューターで記録するのではなく、ネットワークの参加者(ノードと言います)みんなで取引の記録を持ち合って、データの改ざんなど不正があったら指摘しあう仕組みになっています。誰か一人でなく、みんなで記録を持ち合うので、分散台帳とか非中央集権システムなどと呼ばれます。

一方、法定通貨は、政府や中央銀行によって管理されています。

限られた供給量

暗号資産の中でもビットコインは供給量が限られており、作成できる通貨の量が限られています。一方、法定通貨は、政府が必要に応じて印刷し、流通させることが可能です。

ただし、アセットタイプの暗号資産(仮想通貨)であるトークンは、独自のブロックチェーンを持たない通貨で、既存の暗号資産プラットフォーム(ビットコインやイーサリアム、ネムなど)のシステムを間借りする形で存在する通貨です。こちらは、発行枚数などを自由に決めることができる、いわば「株式」のような性質を持ちます。

ボラティリティ(変動性)

暗号資産はボラティリティが高いことで知られており、短時間で価値が大きく変動することがあります。法定通貨は一般に、より安定していて変動が少ないと言えます。

グローバルなアクセス性

暗号資産は、データとしてネット上でやりとりされます。そのため、インターネットに接続できる人であれば、場所に関係なくアクセスし使用することができます。しかし法定通貨は、それが発行された管轄区域に限定されます。

 

つまり、法定通貨が政府や中央当局に支えられているのに対し、暗号資産はブロックチェーン上で運用された非中央集権的な通貨です。

また、暗号資産は匿名性が高く、供給量に限りがあり、変動が激しく、世界中からアクセスすることができる通貨といえます。

そもそもブロックチェーンとは?

サトシ・ナカモトという実在するかはわからない人物によって、2009年1月にブロックチェーンの理論が提唱されました。

そこから2016年くらいまでがビットコイン(Bitcoin)創世期です。

例えばビットコインは、金融機関などの仲介者なくインターネット上でユーザー同士が、直接「お金」をやりとりすることを世界で初めて可能にしました。

それを支える技術が「ブロックチェーン」です。

ビットコインでは取引や残高をホストコンピューターで記録するわけではなく、ネットワークの参加者(ノードと言います)みんなで取引の記録を持ち合って、データの改ざんなど不正があったら指摘しあう仕組みとしています。

この参加者がお互い保存している取引の記録が、ブロックチェーンです。

一定時間(ビットコインの場合は10分)に発生した取引データを一纏めにして、後から書き換えされにくいように暗号でデータの両端を閉じていく形がブロックをつなげている様にイメージされことから、ブロックチェーンと呼ばれます。

暗号資産のプライバシー

ブロックチェーン技術によるデータの「真正性」

暗号資産は、暗号技術を基にしたブロックチェーン技術等によって、取引データや残高の偽造、二重支払いといった不正行為が現実的には行えない仕組みになっています。

改ざんやなりすまし行為のリスクが、技術的にほぼ排除されています。

ブロックチェーンがもつ「透明性」の弱点

全取引の履歴を公開し不変の性質をもつブロックチェーンは、正確な記録を維持するための透明性のある方法だと説明されています

ただし、捜査当局をはじめ、あらゆる組織がネットワークの全取引履歴を閲覧できるということ。逆に言えば、プライバシー環境が脆弱ということでもあり、今後の課題と言えます。

独自の暗号資産(仮想通貨)を作成できる

暗号資産の基盤となるブロックチェーン技術は、基本的にオープンソースソフトウェアとして開発されています。ソースコードが世界に公開されているため、技術さえあれば誰でもフォーク(分岐)して、独自の暗号資産を開発できるのです。

実際に、ビットコインのソースコードをフォークして、これまでに多くの暗号資産が誕生してきました。ただし、状況次第ではフォークによって開発者や利用者コミュニティが分裂することも少なくありません。具体的な事例としては、2017年8月にビットコインからビットコインキャッシュ(BCH)という暗号資産が誕生し、コミュニティも分裂したことがあります。

またフォークとは異なりますが、イーサリアム(ETH)上では独自の規格(ERC-20)に沿って、オリジナルの暗号資産(トークン)を作成可能です。

このように作られた一例が、FiNANCiE(フィナンシェ)です。FiNANCiEは、前述のアセットタイプの暗号資産であり、ビットコインやイーサリアムのように独自のブロックチェーンを持ちません。

暗号資産での危惧と対策

具体的には、以下のようなことが問題として考えられています。

暗号資産で考えられる問題
①不正アクセスによる暗号資産の外部流出

②内部管理態勢等の不備

③暗号資産の投機対象化

2019年5月の改正では、暗号資産をめぐる取引の社会への定着および昨今の不正流出事件の発生などを踏まえ、利用者の資産保護のためのルール整備が行われました。

このとき、顧客財産や利用者保護の強化、暗号資産を取り扱う業者の業務の適正性確保、投資性を有するトークンを発行するスキーム(いわゆるICOと呼ばれるスキームなど) に対する規制のあり方および暗号資産のデリバ ティブ取引に対する規制の要否等がトピックになったそうです。

ちなみにトークンは、財産的価値などを表示することができる電子的な情報で、ほぼ暗号資産と同じ意味で使われています。

国民生活センターに寄せられた相談例
・知人から儲かると言われ暗号資産の投資を始めたが口座から出金が出来ない。追加入金すれば出金出来ると言うが不審だ。
・SNSで知った投資家に暗号資産のレンディングを勧誘され海外の業者に暗号資産を送金したが、満期が来ても出金できない。
・マッチングアプリで知り合った女性から暗号資産の運用を勧められた。儲かったので引出を求めたら税金を請求された。
・母が暗号資産に投資すれば儲けられると友人に誘われ約20万円を渡したという。返金を求めたら出来ないと断られた。どうしたら良いか。

過去の流出事件

暗号資産交換業者のシステムの問題で、流出事件は過去何度かあります。日本だと例えば2018年にネム(NEM)のほぼ全額(当時レート約580億円)が、コインチェックという暗号資産取引所から流出しました。

ネムの管理がホットウォレットで行われていた点や、マルチシグ(送金時に複数の署名を必要とする技術)が導入されていなかった点が問題視されました。

より信頼性の高いコールドウォレットでの管理へ

ちなみにホットウォレットとは、インターネットを通じて仮想通貨の操作を行うことができるタイプのウォレットを言います。これが原因で流出事件が相次いだため、信頼のある取引所では顧客の財産はコールドウォレットでの管理に切り替えるなどの対策が取られました。

ホットウォレットとコールドウォレットの違いは、持ち歩くことのできる財布と、銀行との違いのイメージです。

事件後、コインチェックは全てのネム保有者に対し、日本円での補償やセキュリティ強化も行い2019年には金融庁の認可を受けましたが、例えばFTXの場合は破綻後のハッキングだったため、補償されるかは疑問です。

各取引所の管理体制やハッキング時の顧客へ対応については各社により異なるため、利用者はウェブサイトなどに注目し、どの暗号資産取引所を使うのかを見極める必要があります。

詐欺的なケースも多いICOへの対策

IEOのようにプロジェクトの正当性を確認する仲介者が存在しないのがICOです。

ICOと、これにより発行されるトークンに適用されるルールが不明確である点が問題とされていました。2019年の法改正により、 ICOについては、基本的には、改正金融商品取引法または改正資金決済法によるルールの下で実施することが今後は必要となります。

これらのトークンを取り扱う事業者は、改正金融商品取引法に基づき各種の登録等を取得することが必要となり、また、有価証券としての開示規制を遵守することも求められます。これまでのような無登録業者によるICO等は順 次減少していくことが期待されます。

まとめ

暗号資産は、ブロックチェーンという技術を使った革新的な通貨です。

第三者によるデータの改ざんや記録のミスを防ぎ、取引や契約の正しさが保障される耐改ざん性、全員で情報を共有する透明性という特徴を持っています。

一方で、記録したデータを削除できず、処理速度が遅いことも課題です。また、ブロックチェーンでは管理者が存在しないことから、トラブルが発生したときの責任の所在を明らかにできない点が課題として挙げられます。

しかし、例えばイーサリアムでは環境負荷の低いシステムへの移行を進めていて、他のプラットフォームでも環境負荷が低く処理速度が早いことを売りにしているものも登場しています。また、さまざまな課題に対して法改正がすすめられ、より安全に暗号資産に関われるようになってきました。

まだまだ、財産の半額投資などにはもちろん、リスクがあります。

しかし暗号資産は夢のある通貨で、その基盤となるブロックチェーンは近い将来のWEB3に欠かせない技術です。

それぞれの暗号資産を発行した団体の背景や理念、市場性や社会性、将来性などをホワイトペーパーなどで一つずつ確認し、例えば1万円ずつ複数の銘柄に投資してみるなどして、楽しんでみるといいのではないでしょうか。

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